a photo a day

                            

もう1回だけ


 もう1回だけ、美香さんのことを書きます。
書きたいから書きます。
昨日の夜、息子と2人でコンビニに入ったら、スポーツ新聞の1面に載せられた美香さんの血まみれの姿が
否応無しに目に飛び込んできました。
私の顔色は変わり、私から全ての事情を聞いていた小5の息子は、すぐにその新聞を裏返しに挿し直してくれ
ました。
心ある人間なら、子供だって察することができる。
「こんなもん、新聞に載せんのかよ」って。
 
 誰が何の目的で人を汚そうが、本物の輝きは、わかる人間の心に真っ直ぐ届く。
佐藤さんと事実婚だったとかいう話も、実際にあの2人のことを知っている者じゃなければ
深い事情は全くわからないじゃないですか。
私は佐藤さんのことは書かない。
一緒に飲んでも見えてこない人だったし、会ったら殴り倒したいくらいムカムカしてるから。
でも美香さんは違う。
いつもいつもいつも自分のことは二の次三の次で、優しすぎて、純粋で、
だから死ぬのが怖いのに戦場へ行き続けた人でした。
腐りきった殺戮集団と接触するリスクさえも全身で受け止めてしまうほど
彼女は尊い精神の持ち主だったと私は知っています。
少なくとも戦場に関わることで自己顕示するような薄っぺらい人じゃなかった。
嘘も偽りも無く謙虚な人でした。

 

 もういいや。気が済んだ。


…私は美香さんと生き方が違うけれど
その真っ直ぐな思いは100%受け継ぐからね。
本当に本当に本当にありがとう。
ありがとね。



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  1. 2012/08/23(木) 20:13:58|
  2. non title
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よくがんばったね


早朝、日本人の女性ジャーナリストがシリアで…というニュースをパソコンの画面で見た時
私は胃が絞られ、吐きそうになりました。
なんでだろう、まだ身元不明って書いてあるのに、
なぜか私には美香さんだという直感が確信みたいに襲いかかっていました。




 27か28歳くらいの時かな、私は美香さんのアパートに泊めてもらったことがあります。
彼女は中東の取材から帰ってきたところで、私は南米の撮影から帰ってきたところだったと思います。
歳も近かったし、危険なことばかりしているところも似ていたから、
いろんなことを話し、ちょこっと泣きごと言ったりもした夜でした。
私はかなりお酒を飲んで、明け方に美香さんちのトイレで吐いちゃったのを覚えてます。

 美香さんは私に「死ぬかもしれないって思うでしょ?死ぬの、怖くない?」って聞きました。
当時の私は本当にどうしようもないほど1人ぼっちだったから
「死んでもいいって思ってなかったら、こんなふうに生きてない」と答えたのを覚えています。
美香さんは「私は怖い。死にたくない。死にたくないから怖くて仕方がない」と言いました。
それでも彼女は戦場へ行くことを止めなかったんです。

 今の私なら、あの時の美香さんの気持ちが痛いほどわかります。
あの日も今日も、美香さんの信念は苦しいほど私の心に伝わっています。

小さな体で、よくがんばったね。
本当に本当にありがとう。







 


  1. 2012/08/21(火) 22:58:46|
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部品数、ハンパねぇ

 苦戦していたCANON EFの修理が今日ついに完了。
時間かかったぁぁぁ。
しかも部品取り用に同機種のジャンク品を買ったりしたから、まるっきり赤字っす(笑)。
でもこの1台は〈深い思い入れのあるカメラ〉だと重々承知して依頼を引き受けたので
がんばりました!!
直ってよかったです。本当に。
ところでこのカメラ、部品数がハンパねぇ。
当時の技術でシャッタースピード優先AEを実現するには、ここまでやらねばならなかったんでしょうね。
すご。








 
 
  1. 2012/08/19(日) 15:06:04|
  2. non title
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写真家になるためには

 ブログを見て下さっている方々から届く様々なメール、
1つ1つ大切に読んでいます。本当に嬉しいです。ありがとう。

 最近「セイリーさんはどうやって写真家になったんですか」
「写真家になるために必要なことは何ですか」という内容のメールを続けて2人の方から頂きました。
実はどちらも「写真学校へ行くべきかどうか悩んでいる」という具体的な相談だったので、
もしかしたら似たような迷いを抱えている人が他にもいるのではと思い、
何かしら参考になりそうなことを私なりに書いてみることにしました。



 まず、私の場合は独学です。
師事もしませんでしたが、そのせいで困ったり後悔したことは1度もありません。
商業カメラマンとして写真関係の仕事につきたいというのならば話は別ですが、
アート写真の世界を真っ直ぐに目指したいのであれば、高い授業料を振り込む代わりに
フィルムや印画紙を人よりたくさん買い、失敗ばっかりしながら工夫を積み重ねていく方が
結果的に自分の独特な世界を確立しやすいんじゃないか、と個人的には思っています。
ただ何もかもが自分次第、つまり課題の提出もなければ演習プログラムもない中で
自分をストイックにコントロールし続けるのは、そんなに簡単なことじゃないかもしれません。
それをやり続けるためには「なぜ写真なのか」「なぜ撮るのか」という自問に対し、
ブレることのない明確な返答を持ち続ける必要があると思います。
意志さえあれば、結果は後からついて来る。私はそう信じています。


 もう1つ自分が大切にし続けていることは「撮らない時間」かな。
それは「撮ってる時間」と同じくらい重要で、昼と夜みたいな存在です。
「とにかく数を撮れ」というお馴染みの教訓は、最初の5~10年くらいの話。
そこから先は、人として被写体以外のものを直視し、
写真と関係ないことにも1つ1つ真面目に関わり、悩み、吸収する。
そうしないと、いつの間にか薄っぺらくてあざといものしか撮れなくなります。
人の痛みとか、生きる喜びとか、そういうものに過敏じゃない人間が、そもそも人の心に響く作品を
つくれるのか???という、非常に当たり前の話です。


 20代の時、あるお坊さんにこう言われました。
「悟ろうとする心が最も悟りから遠い。」
つまり、自分が悟れる器だと思っていることこそが“おごり”だと。
写真を撮るということも、そこに重なるんじゃないかって思います。



友希さん、明日香さん、プロセスに囚われず、恐れず、伸び伸びと前へ進んでいって下さい。














  1. 2012/08/05(日) 10:19:26|
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