ベスト判コダックという言葉を初めて聞いた時、私は「コダックの決定版」みたいなカメラと
勘違いしたのを覚えています。
ベスト版、つまりbestなカメラ、と思ったのです。
師匠に弟子入りして間もなくの頃でした。
後に127というサイズの小さなロールフィルムで撮るのがベスト判カメラだと知り、
「洋服のベストのポケットに入るくらい小さなカメラ」という名前の由来を理解しました。
ベストポケットコダックの発売は、1912年(明治45年)。
世界的なベスト判ブームを巻き起こしました。
ロールフィルム・カメラは「米国で生まれ、ドイツで完成した」と言われますが、このベスト判も同じように
コダックが発表し、コンテッサ・ネッテル(後のツァイス・イコン)が発展させていったように思われます。
そして1925年(大正14年)、日本の小西六が、両社ベスト判の良いところを真似して
国産ベスト判「パーレット」を発表しました。
米のベスト・ポケット・コダック、独のピコレット、日のパーレットは、それぞれの国で初の大量生産カメラに
なったといわれています。
私がロサンゼルスの修理屋で仕事をしていた頃、店に1912年製と思われるベスト・ポケット・コダックが
修理依頼品としてやってきたので、私が担当させてもらったのを覚えています。
なんとそれがパステルカラーの水色で、デザインもポップで、頬ずりしたいほど可愛いい姿でした。
メガネをかけるような感じでアタッチメントをレンズの前に重ねると、広角になる。
- 2011/11/07(月) 11:29:56|
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